アクアリウムにおける嫌われものコケ。ガラス面、水草、流木、石などに付着し見栄えを悪くします。
しかし逆に考えれば、水質などの状態を教えてくれる先生的な役割だとも言えます。
(何も言ってはくれませんが…)
なぜコケが生えるか
原因は大きく分けて2つ。
水質の悪化・富栄養化。
直射日光や照明時間の長さ。
水質の悪化・富栄養化
1.餌の与え過ぎ
⇒魚でなく餌を泳がせていないか
2.生体が多すぎる
⇒水槽サイズに適した生体数か
3.メンテナンス不足
⇒水替え、掃除を怠ってないか
4.バクテリア不足
⇒フィルターや底床などバクテリアが繁殖できそうな条件が揃っているか
5.過剰な肥料
⇒水槽立上げ時、ソイルからの栄養流出に注意
⇒液肥を過剰に投与
直射日光や照明時間の長さ
水槽設置場所に太陽の光が差し込んでいませんか?
差し込んでいるのであれば場所を変えたり、シートなどで遮り直接日光が当たらないようにしましょう。
また、LEDライトなどでの照明も時間が長いとコケ発生の原因になります。
忙しい方はタイマーを活用してはいかがでしょうか。
コケの種類
茶ゴケ

ろ過能力が低かったり、バクテリア不足の場合に水槽ガラス面に薄っすら茶色く発生。
柔らかいため掃除も簡単、また貝、エビやオトシンクルスなども食べてくれます。
斑点状ゴケ

小さな緑色の点々でガラス面などに付きます。茶ゴケより硬いのでので、スクレーパーや三角定規で力をいれて取らなければいけない場合があります。
貝、エビ、オトシンクルス、プレコなどに食べてもらうのも1つの除去手段です。
このコケは水がピカピカの状態でも照明の点灯時間が長いと発生し易い傾向にあります。
黒髭ゴケ

その名の通り黒っぽいヒゲのような形状。
流木、水草、岩のみならずフィルターの排出口にも生えたりする丈夫で厄介なコケ。
藍藻と並ぶ特に嫌われているコケ。
その頑丈さ故、食してくれる生体も少ない。
シルバーフライングフォックスに食べてもらえれば幸い。
アオミドロ

うす緑色の長い糸状で広い範囲に広がっていきます。富栄養化と直射日光などが主な原因です。
ブラックモーリーに食べてもらう、成長の早い水草を植える、直射日光を遮る、照明時間を減らすなどで対応します。
藍藻

のっぺりとした臭い緑色のコケ。
しかし植物ではなく、シアノバクテリアと言う細菌。
アクアリストに1番嫌われていると言っても過言ではない。
強いて良い所を挙げれば光合成で酸素を供給するところ・・・。
いくら吸出しても増殖し厄介です。
オキシドールやグリーンFゴールド顆粒などで対応します。
オキシドールを投与するとこんな感じになります。
*エアレーション以外の白い粒々も酸素です。
⇒動画(10秒)
コケの除去を手伝ってもらう
熱帯魚やエビなどはコケを餌として食べる生体もいます。
彼らは私達の手の届かない所のコケも食べてくれるので、少し手伝ってもらいましょう。
また成長の早い有茎草を植えたり、浮草、水上植物などで水中の栄養素を吸収するのもコケ抑制に効果があります。
以下に代表的な生体を紹介します。
ヤマトヌマエビ
水草レイアウト界のスーパーエース。
繁殖しない。
小型水槽だとちょっと目立つ。
ミナミヌマエビ
ヤマトヌマエビより小型なのでコケ取り能力は落ちる。
稚エビは小型魚に食べられることも。
繁殖する。
オトシンクルス
水槽面の茶ゴケや水草に生えた柔らかいコケを食べる。
コケが無く人工餌が認識出来ない場合、餓死することも。
サイアミーズフライングフォックス
水草などに生えたコケを積極的に食べる。
黒髭ゴケも食べる。
10センチ位まで大きくなる。
人工餌もよく食べる。
シルバーフライングフォックス
黒髭ゴケも食べ、今やサイアミーズフライングフォックスを上回る存在に。
大きくなる銀色のコイ。
とにかく元気。
ブラックモーリー
油膜、アオミドロ、藍藻などを片付けてくれます。
余談
コケの話しをしてきましたが、アクアリウムで言うところのコケは分類上、藻類です。
じゃ何がコケかと言うと、ウィローモスやテラリウムなどで使われるスギゴケなどがコケ植物にあたります。
何故コケと言うようになったのでしょうか…。
最後に
プロが管理している水槽でもコケは生えます。
特に栄養過多にならないよう安定して長期維持できるよう少しずつ頑張っていきましょう。
ピカピカの水槽があなたを待っています!