自作(コスパの世界へ)

全般

水草レイアウト水槽をやっている方は、液肥など定期的に購入し使用します。液肥は種類も多く、窒素、カリウム、鉄、微量元素や、その混合物など多数あります。

何本も水槽がある方、大型水槽をお持ちの方は消費量も多くなります。

自分で同程度の物を作る事ができれば、それに越したことはありません。
自作で作れば当然安くなります。

そこで今回は液肥など自作(自己責任で作り使う)について少々書いて見たいと思います。

カリウム液肥

3大栄養素であり、飼育や換水において供給される事がほぼ無いカリウム。

水草レイアウト必須アイテムです。

自作に必要なものは以下の通りですが、自作の際は手袋をしましょう。

●硫酸カリウム
●精製水
●プッシュボトル
●計量器
●ロート

作成手順

1.計量器の上にプッシュボトルを乗せる

2.プッシュボトルの上にロートを乗せる

3.精製水を投入

4.硫酸カリウムを投入

5.よく振って希釈水溶液の完成

※水 ➡ カリウムの順が良い(水素の発生、燃焼の都合)

自作カリウム液肥の成分・pH

この水溶液はカリウムイオンが約半分の51%。
硫酸カリウムで作ると中性に近い水溶液。
ちなみに炭酸カリウムで作るとpH11前後のアルカリ性水溶液…結構な強アルカリ。

水草レイアウト水槽の方は硫酸カリウム一択でしょうか。

注意点

ADAのプッシュボトル300mlを使用する場合、300g-30gで作るとあふれてしまうので、270g-27gで作りましょう。

コスト

精製水270g…54円、硫酸カリウム27g…15円の69円!
カリウムの濃度を倍にしても100円で作れてしまいます。

水溶液だけの話で、送料、プッシュボトルは考慮していませんが。

鉄液肥

微量元素とは言われながらも専用の液肥があり、生き物に必要な栄養素。

硫酸第一鉄は安価でpHも低く優れているのですが、酸化しやすく水生生物に有害と記載されているので、キレート鉄の粉末で自作しようと思います。

使用する鉄はこれです。

たまごや商店さんで購入。
農業用の肥料が多種あるので液肥を自作する場合はここで全て揃いそうです。

噂ではADAのアイアンが500mg/Lらしいので、このキレート鉄の鉄成分が11%を考慮すると、1リットル当たり4.5g。

ざっくり作れば精製水200ml当たりキレート鉄1gになります。

コスト

精製水300g…60円、キレート鉄1.5g…3円。63円です。

EDTAとDTPAについて

EDTAはエチレンジアミン四酢酸(エデト酸)の略でキレート剤として金属イオンとキレート錯体を形成する。
工業、製紙業、農業、軟水化、医療など幅広い分野で使用されている。

DTPAはジエチレントリアミン五酢酸(ペンテト酸)の略でこちらも金属イオンとキレート錯体を形成します。
製紙業、水生植物への鉄供給、化粧品などに使われている。

ここが一番重要で、キレート鉄粉末はEDTA−FeよりもDTPA−Feを選びましょう。
EDTAはpH6.7で安定性半減、pH7でキレート効果を失う。
DTPA−FeはpH7.5で安定性半減、pH8でキレート効果を失う。

pH7でキレート効果を失ってしまってはキレート鉄の粉末を使った意味がありません。

窒素液肥

欠乏し難い窒素ですが、水草が繁茂(特に有茎草)していて生体も少なければ欠乏する事もあります。

一番安く作る場合、農業や園芸で使用される硫安や尿素で液肥を作ります。

硫安の窒素成分は約21%なので1%の窒素液肥を300ml作る場合は15g使用します。
尿素は46%なので7g。

コスト

カリウムと鉄でお分かりかと思いますが、精製水のコストとほぼほぼイコールです。

注意点

アンモニウムイオンを添加するので、バクテリアが硝酸まで変化させるのにタイムラグがあります。
立ち上げ初期や水質が安定しない水槽には向きません。

過剰添加でコケまみれにならないように。

開封後は密閉保存。

窒素液肥その2

水草は硝酸を栄養素として使用するので最初から硝酸が入っている液肥で作る。

パレス化学さんの窒素液肥です。
容量200ml、窒素5%、1プッシュ1ml。
緑色に着色されています。

コスト

1%の窒素液肥1000ml作る場合、窒素液肥は送料込み1600円。精製水800ml176円。
送料が800円なのでコストパフォーマンスがちょっと。

総合液肥

植物は三大栄養素の他に微量元素も必要。
栄養素毎に液肥を作りたく無い、各栄養素が入った1本にしたい。
とりあえず1本で栄養素がほとんど入っていた方が、経済的にも手間も少なく助かります。

玉名化学さんのクロロゲン赤。赤はカリウムメインです。
カリウムだけ見てみれば4%なので原液でいけそうですが、微量栄養素が他の肥料と比べて結構多めです。
微量栄養素の液肥を作るのであれば10倍とかに希釈した方が良さそうです。

コスト(原液)

原液2000円

コスト(10希釈)

原液2000円+精製水9リットル2000円
なので10リットル4000円
よって500mlの液肥は200円

水質調整(pH降下)

添加剤(水溶液)は良いのができたら追記します。
クエン酸はイマイチと言うか効果が確認できません。

正直なところ、テトラのPH/KHマイナスでいいかなと。
自作するにも硫酸や塩酸は結構危険ですから。

そんなわけで、水槽立ち上げ時に使用できるpHが低い素材について記載していきたいと思います。

水ゴケ

pH5

ホームセンターの園芸コーナーでも見かける乾燥したおが屑のようなもの。

圧縮されてパック詰めになっています。

パルダリウムなどではよく使われているようですが、底上げやウールマットの代替ではコスト高になります。

この水ゴケ...安くはありません。

長期的にpHを下げてくれればよいのですが、どうでしょう。

鹿沼土

pH4.5

細粒、小粒、中粒、大粒など粒の大きさで袋詰めされ販売されています。

大粒のものを選びネットに入れ底床の底上げに利用しても良さそうです。

軽石

pH6

アクアリウムでは底床の底上げ用やろ材として利用できます。

軽くて多孔質で透水性が良いですが、浮いてしまう物もあるのでネットに入れて使用します。

そのまま使用すると濁るので何度か濯ぎましょう。

ピートモス

pH4

水ゴケなどの植物が堆積したもの。

pHが割と低め。

農業用として土壌改良にも使用される。

非常に細かいので洗濯ネットでは話にならず、お茶を濾すものなどに入れても水は茶色になります。
pHが低いので少量ずつ使用して様子を見た方が良さそう。

その他

マジックリーフ系茶色の大きな葉っぱ

水質を酸性に傾けるが水が茶色く濁る。

流木

マジックリーフ系と同様。

しっかりアク抜きをすれば濁りや白カビが減ったり出なくなります。

木化石

文字通り木が化石になったものなので他の石のようなアルカリ性ではない。
pHが高くないだけ。

カチオンフィルター

水草レイアウト水槽をやっている方は軟水を必要とします。
そこで硬度の高い水道水を軟水化する手段としてカチオンフィルターが選択肢の1つとなります。
購入すれば数千円のフィルターも自作すれば安価に作れます。
自作した見た目は、ご自身のセンスや好みによります。
画像より皆さんの方が上手に作れると思います。

●ペットボトル(キリで穴をあける)
●ウールマット
●陽イオン交換樹脂

水槽台

2×4(ツーバイフォー)のSPF材などをカットし組み立てる。
天板、塗装、防水、とび、補強など自作なので当たり前ですが自由に作ることが出来るのが魅力。

上下の枠5本ずつ、外側の柱8本。大型の水槽台になれば、柱などをさらに追加して補強していきます。

木材のカットまではホームセンターでやってもらえば手間が省けます。

安く作れますが、90cm水槽で約200kgになるので、しっかり組み立てましょう!

冷却ファン

自作では無く代替できそうなものになりますが、アクアリウムメーカー製の冷却ファン以外で使えそうなもの

1.PC、ゲーム機、スマホなどで使える冷却ファン

デザインは格好良いのですが水槽への取付けにひと工夫必要です。

2.クリップ式小型扇風機

3.ダイソー

住んでいる所や職場、学校の近くにダイソーがあれば、小型の扇風機が売っています。
300円なのでアクアリウムで使える物としては1番安いのではないでしょうか。
右のクリップ式は風量が2段階に調節できます。
左はクリップ式より大きく静音です。
どちらもUSBタイプです。

最後に

自作出来る物や、代替の物があれば適宜追加していきたいと思います。

繰り返しになりますが、自分で作るので怪我に十分注意し、手袋、ゴーグル、長袖などを着用し手、目、皮膚を保護しましょう。

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