水草を育てていれば水中の葉にびっしりと気泡を付けている姿に憧れますよね。
また自分の水槽の水草もたっぷりと気泡を付けて欲しいものです。
この記事では光合成について簡単に触れてみたいと思います。
光合成に必要な条件
植物は細胞の葉緑体にて太陽光エネルギーをもとに水と二酸化炭素から糖と酸素を作ります。
光、二酸化炭素、水中の環境が整えば植物は光合成により成長そして酸素を放出します。
光

光合成の文字通り光が必要です。
照明時間は8~12時間を規則正しく点灯。
波長は赤の波長が特に光合成に影響していると言われています。
LEDライトを選ぶ際は赤や青などの波長および、ルーメン数を確認して購入する必要があります。
水草育成向けのLEDライトは各社製品ページにて詳細が記載されています。
二酸化炭素

前述のとおり光合成では二酸化炭素を必要とします。
自然界では空気中や上流から流れてくる水により二酸化炭素が供給されますが、
水槽内では強制添加が必要になってきます。
ボンベ式、化学反応式や発酵式などの方法により二酸化炭素発生させ、CO2ディフューザーで水中に溶解させていきましょう。
水質
温度
光合成速度(葉の面積当たりの二酸化炭素吸収量)は温度が高くなると大きくなり、約30℃にて最大となります。
ただし強い光が条件であるので、弱い光では一定の値で変化はありません。
また30℃を超えると光合成速度は減少していきます。

PH
ここでもPHの値は重要です。
二酸化炭素を水に溶解させましょうと言いましたが、二酸化炭素(CO2)はPHの値によって炭酸水素イオン(HCO3-)や炭酸イオン(CO32-)に変化します。
酸性でPHの値が低ければ低いほど(CO2)、中性当たりで炭酸水素イオン(HCO3-)、アルカリ性になればなるほど炭酸イオン(CO32-)になります。
水草は主に二酸化炭素(CO2)を使用して光合成するのでPHを弱酸性の6.4以下になるように調整しましょう。

それでも気泡が付かない
照明はいいやつにした、二酸化炭素は添加している、PHは6だしKHもGHも低い。
なぜ気泡がつかない!
考えられる原因を記載してみます。
光合成が活発な水草か
そもそも論として光合成が活発な水草かどうか。
光合成が活発でなければ当然気泡も付いてこないし、見えません。
光合成が活発な水草
- リシア
- グリーンロタラ
- パールグラス
- ニューラージパールグラスなど
光合成が活発でない水草
- アヌビアスなど濃い緑の厚い葉の水草
酸素が水に溶解している
酸素も水に溶解します。
酸素を生成する速さが溶解する速さを超えて初めて気泡として確認できます。
光合成していれば次第に溶解する酸素が飽和していくので、時間の経過とともに確認できる気泡が多くなっていきます。
消灯間際の方が気泡をたくさん確認できるはずです。
その他 光合成いろいろ
化学式
光合成とは植物が太陽光エネルギーを使って水と二酸化炭素から糖を作ります。
その過程で酸素も排出されます。
化学式だと以下の通り。
6CO2(二酸化炭素)+6H2O(水)→C6H12O6(ブドウ糖)+6O2(酸素)
二酸化炭素の溶解量
二酸化炭素の溶解量ですが、水温によって溶解する量が異なります。
水温が高ければ溶解量が少なくなり、低くなれば多くなります。
鉄
葉の細胞にある葉緑素が光合成を行いますが、この葉緑素の生成には鉄が必要。
水草の多い水槽では鉄の添加が必要です。
必要とは言っても一応、鉄は微量元素扱いです。
陽生植物 陰生植物
陽生植物は光をたくさん必要としCO2の吸収も多く光合成が活発。
陰生植物は陽生植物に比べ、弱い光でCO2の吸収が多くなるが光合成は活発でない。
図のa、bはそれぞれの光飽和点と言います。
光がそれ以上強くなってもCO2の吸収速度は増えません。
