液肥の濃度について

水草

液肥の濃度(割合)について考察してみました。
どのくらいの濃さの物をどのくらい添加するのか。
メーカー記載の量を添加すれば良いだけでは?と言われればそれまでですが。
また農業、園芸用肥料の利用についても触れます。

各メーカーの液肥

アクアリウムメーカーが液肥を販売していますが、液肥は濃度の割合記載が無い物も多数あります。
企業秘密なのでしょうか。
では順に見ていきます。

グリーンブライティ(ADA)

割合表記:無し

添加量:1mL/20L…日

緑液、茶液(tropica)

割合表記:無し

添加量:10mL/100L…週

ZENITH WATER(オクトジャパン)

割合表記:有り−炭酸カリウム10%

添加量:1mL/20L…日

Plants Green (株式会社 リーフ)

割合表記:有り−窒素5%リン5%カリウム5%鉄微量

添加量:5mL/50L…初回。その後は適宜

APT-COMPLETE(THE 2HR AQUARIST)

割合表記:有り−窒素1.8ppmリン0.7ppmカリウム4ppmマグネシウム0.4ppm鉄0.03ppm 100Lに5mL添加の場合

添加量:2mL/60L…日

水草を上手に育てる栄養剤(ソネケミファ)

割合表記:無し

添加量:1mL/10L…3日

フロレナ(セラジャパン)

割合表記:無し

添加量:5mL/20L…週

まだまだ液肥はたくさんありますが、ざっと見ただけでも、どのくらい入っているか不明または、内容量が異なったりしています。添加量もそれぞれです。

当たり前の話ですが、窒素1%表記だと全体量100のうち1が窒素になります。カリウム2ppmだと全体量1,000,000(百万)のうち2がカリウムになります。

因みに、水溶液におけるppmはmg/Lと同じ意味になります。大気汚染のニュースで耳にするppmはmg/m3なので1000倍ほど意味合いが異なります。

濃度や成分

この液肥は1%の濃度だな…
容量300mLだから含有量は3g…
1プッシュ1mLだから1/300…60cm水槽(50,000mL)に入れる…

つーかほとんど水じゃね?
どんだけ希釈されるの…。
と思ってしまいます。

水道水の成分

そもそも水槽に使う水道水にはどの程度成分が含まれているか見ていきたいと思います。
私が住んでいる地域の検査結果の値になります。

  • 窒素:0.56mg/L
  • カルシウム、マグネシウム:68.4mg/L
  • 鉄:0.01mg/L
  • マンガン:0.01mg/L未満
  • ホウ素:0.03mg/L

カルシウムとマグネシウムの値が他と比較して突出している事がわかります。
リン酸やカリウムは検査項目に無いので不明。
pHは7.65となっており人間に合わせているのでしょうか。

農業・園芸肥料について

今度は農業・園芸用肥料を見ていきます。
どこでも見かけるハイポネックスをはじめ色々な液肥があり、3大栄養素は1%〜15%程度含まれており培地栽培・水耕栽培は500倍〜1000倍希釈。
単肥は500倍〜10000倍、微量栄養素のキレート鉄粉末は10000倍〜100000倍希釈と記載されています。

水草より水上植物の方が肥料食いが良いと言われています。
また、水草の中でも成長が遅い陰生植物はさらに肥料の必要量が少ないはずです。

鉄分の濃度

セラジャパン社は理想的な鉄分の濃度は0.5mg/L(それ以上は有害)と言っています。
60cm水槽50Lだと25mg、120cm水槽200Lだと100mgが水槽に入っていて良い計算になります。
キレート鉄粉末の鉄成分が10%の場合、100倍希釈すると1000mg/Lの鉄液肥ができます。
1Lで1000mg、1mLで1mgなので、添加前の水槽の鉄分がゼロならば、それぞれ25mL、100mLまでなら添加して問題無い事に。

鉄でこの値ならば3大栄養素はもっと多くて良い事になります。
3大栄養素と鉄を含んだ肥料を調べたところ、カリウムの含有量は鉄の約20倍〜200倍でした。

窒素やリン酸と違い供給源の無いカリウムは添加必須となりますので、必要量を100倍すると60cm水槽2.5g、120cm水槽10gが理想量になります。
水溶性カリウム5%の液肥は50,000mg/Lなので1mLあたり50mgとなり、それぞれ50mL、200mL添加して良い事に。

多い気がしないでもない…。

添加量

私が調べる事ができた水生植物(根だけ水中)や類似の試験結果のデータでは、植物1本当たりの窒素消費量は、1日約2〜3mg/Lでした。
それらの水生植物は成長すれば水草より遥かに大きくなる植物です。

〜ここからは想像(創造)の世界〜

水草は他の植物より要求量が少ないと言われているので、60cm水槽で1日の窒素消費量を2mg/Lとしカリウムも同等とする。
鉄は前述の通り1/100とする。90cm水槽および120cm水槽については、植栽面積は底面に比例するものとし、それぞれ2.25倍、3倍とする。

※CO2の添加、pHの調整している水槽を対象とし、どちらも未調整の場合は肥料が有効に使えないため、肥料の消費量が減る事が予想されます。

液肥の希釈

実際に計算してみましょう。

5%のカリウム液肥は1L当たり50g(50,000mg)カリウムが含まれています。1mLだと50mgになります。
60cm水槽50Lに液肥1ml添加すると1mg/L(50mg/50L)。
上記1日当たりの必要量を2mg/Lとしているので2mL添加になります。

当たり前ですが、水50Lは50,000mL、200Lは200,000mLです。液肥の1プッシュを1mLとすれば、水槽に1mL添加するというは5万分の1、20万分の1に希釈されます。

液肥を自作する方は希釈倍率を考慮して作る必要があります。

最後に

今回調べて分かった事は、私の使用している水道水はカルシウムとマグネシウムが約70mg/L含まれているので、1/3換水すると約20mg/L以上の水槽になります。
添加する液肥にマグネシウムは必要無いかもしれません。

水草無し、吸着剤無しだと黒髭苔に栄養を与えているような気も…。

1日当たりの栄養素の必要量を算出しましたが水槽を多数持っていないので検証に時間が掛かりそうです。
ただ量が多ければコケが生える、少なければ葉が黄化・白化してきます。水草の種類、量、水温をメモしてゆっくりやっていきたいと思います。

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