皆さんが生活で使っているのは、水道水または井戸水、標高が少し高い所に住んでいれば沢の水などもあるかと思います。
熱帯魚や水草育成の飼育水は生活で使用している水を使っていると思いますが、
その水の成分はご存じでしょうか。生き物にとっては有害な物質も存在します。
また熱帯魚や水草、給餌、レイアウトの岩から発生する物質もあります。
また、買ってきた水草は、弱酸性の軟水で育てるらしい・・・この熱帯魚は弱アルカリ性の水で飼育すると書いてあるが・・・そもそも弱酸性とか軟水とは。

PH
PH(ピーエイチまたはペーハー)とは、水が酸性かアルカリ性かを示す値です。中性が7、7より値が小さければ酸性、大きければアルカリ性になります。
餌、フン、石、CO2添加などにより酸性またはアルカリ性に傾きます。
図aのように酸、アルカリが少なくても、図bのように多くても均等にバランスがとれていれば、PHは7なのです。
PHは試験紙や計測する器具で計ります。
因みに計算式はPH=ーlog10[H+]
※[H+]は水素イオンのモル濃度
PHの計算式が教えてくれることは、水合わせはとても重要だと言うことです。
なぜなら、PHが1違うということは10倍の酸性またはアルカリ性の水になり、PHが2違えば100倍になります。SHOPで買ってきた熱帯魚を自宅の水槽にいきなり投入してはいけません。動かなくなる、異常な動きをする、最悪ショック死です。


GH(総硬度)
水中のカルシウムやマグネシウムの総量。水草水槽では1~3゜dhの軟水が推奨されています。
数値はテトラの試験紙などで計測できます。
カルシウムやマグネシウムは水道水に含まれていて生物に必要な物質です。
水草を育成する方はお使いの水道のGHをチェックしてみてはいかがでしょうか。
地域によってはGHが高いところもあります。

除去すべき成分
水道水には殺菌のため塩素が入っています。また微量ではありますが、銅やマンガンなどの重金属も入っています。
それらの成分は熱帯魚やバクテリアにとっては危険な物質であるため除去、中和して飼育水に使用しましょう。
塩素(CL)
みなさんもご存知の通り殺菌のために水道に含まれているので、水道水をアクアリウムに使用している方は中和や除去が必要になります。
主な方法としては下記の3つ。
1.汲み置き
バケツなどに水を汲み、半日から1日程度まち塩素が抜けるのを待つ方法。
化学的に言うと塩素が太陽光により光分解されます。
単純で簡単であるが、塩素の抜け方が天候等に左右される。
2.中和剤
汲んだ水に薬剤を投入し中和することで無害化する方法。重金属も一緒に中和する薬剤もあります。
テトラ社の中和剤を使っている方は多いのではないでしょうか。
3.浄水器
アクアリウム専用の浄水器でフィルターにより微細なゴミ、細菌、塩素、重金属を取り除く方法。
RO浄水器でなければ1万円位(※)で購入できます。
初期投資しなければいけないが、フィルターの交換目安が30t~50tですので、大きい水槽をお持ちの方はハイポで中和する手間が省けます。
※2022年から円安などの影響でしょうか、物凄く値段が上がっています。たまに半値位で売っているとこも見かけたりしますが…。
銅(Cu)
微量ではありますが水道水に銅も含まれています。
植物では微量元素の位置づけですが、微生物、バクテリア、甲殻類、サンゴなどにとっては望ましくない物質。
シュリンプやサンゴを飼育している方は銅の含有量をチェックする必要がありそうです。
リン酸塩(PO4)
水道水に含まれているのと、主に餌により水槽内に増えていきます。
そうです、毎日の餌で増えていきます。
水草にっとてみれば三大栄養素のひとつではありますが、過剰になりがちなリン。
以下の方法で除去
1.換水
みなさんも定期的に行っているであろう換水。
捨てた飼育水の分だけ除去できますが、コケの発生が止まらないような場合は、換水の量や頻度の見直しも必要かと。あとは給餌の量と回数を減らす。
2.除去剤
飼育により発生する成分
餌からはリン、熱帯魚のフンや水草の枯れ葉などからは、アンモニア、亜硝酸塩、硝酸塩が発生します。
硝化バクテリアによりアンモニア⇒亜硝酸塩、亜硝酸塩⇒硝酸塩、硝酸塩⇒窒素へと変換しますが、バクテリアがあまり存在しなかったり、水槽内の熱帯魚が多ければバクテリアの変換が追い付かず、有害な物質(特にアンモニアは有害なのでpHに注意)が水槽内に留まってしまいます。これはコケや病気の原因になります。